Japanese
English
特集 上皮系腫瘍
硬化性萎縮性苔癬より会陰部潰瘍として生じた有棘細胞癌の1例
Squamous cell carcinoma arising on genital lichen sclerosus et atrophicus showing ulceration
岡田 寛文
1
,
佐藤 篤子
1
,
神谷 浩二
1
,
前川 武雄
1
,
小宮根 真弓
1
,
村田 哲
1
,
大槻 マミ太郎
1
Hirofumi OKADA
1
,
Atsuko SATO
1
,
Koji KAMIYA
1
,
Takeo MAEKAWA
1
,
Mayumi KOMINE
1
,
Satoru MURATA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
1自治医科大学付属病院,皮膚科学教室(主任:大槻マミ太郎教授)
キーワード:
硬化性萎縮性苔癬
,
有棘細胞癌
,
外陰部潰瘍
,
会陰
Keyword:
硬化性萎縮性苔癬
,
有棘細胞癌
,
外陰部潰瘍
,
会陰
pp.453-457
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002483
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72歳,女性。以前より大陰唇部から肛門部全周性に硬化性萎縮性苔癬が存在していた。治療経過観察中に会陰部に大豆大の深い潰瘍が生じた。当初は掻破や便失禁などの外的刺激による難治性潰瘍と考えたが,病理組織学的に硬化性萎縮性苔癬より生じた有棘細胞癌と診断された。集学的治療を行ったが,腫瘍は全身に転移し,診断から10カ月後に永眠された。自験例では有棘細胞癌の腫瘍形態として,会陰部に潰瘍を形成した点が特異的であった。本邦で報告された類似症例の文献を渉猟したが,有棘細胞癌はいずれも隆起性病変として出現し,また会陰に出現した報告例はなかった。悪性腫瘍の早期発見と早期治療の重要性をあらためて強調したいと考えた。
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