保存強膜を用いて再建した右下眼瞼基底細胞癌の1例

Basal Cell Carcinoma on the Right Lower Eyelid Reconstructed with Preserved Sclera

85歳，女性。数年前から右下眼瞼に結節が出現し，ダーモスコピーで基底細胞癌と診断した。全身麻酔下に右下眼瞼の全層切除を行い，欠損部の前葉は頰部皮弁により再建し，後葉は保存強膜を移植した。術後6カ月で再発や転移は認めない。自験例は認知症のある高齢者のため，創の箇所を少なくして術後管理を円滑にするという点から，保存強膜は有効であった。