Japanese
English
症例
診断に苦慮した不定細胞組織球症の1例
Indeterminate Cell Histiocytosis that was Difficult to Diagnose
森 知花
1
,
神谷 秀喜
1
,
北島 康雄
1
Tomoka MORI
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
1社会医療法人厚生会木沢記念病院,皮膚科/皮膚がんセンター(主任:神谷秀喜部長)
キーワード:
不定細胞組織球症
,
indeterminate cell histiocytosis
Keyword:
不定細胞組織球症
,
indeterminate cell histiocytosis
pp.87-90
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001766
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82歳,男性。初診の5年前頃から,体幹部に瘙痒を伴う丘疹が出現した。近医でステロイド外用を行ったが改善なく,当科を紹介受診した。当初の皮膚生検ではステロイド痤瘡が疑われたが,確定診断には至らなかった。ミノサイクリン100mg内服,ナジフロキサシンクリーム外用を開始したが,改善は乏しかった。2度目の生検では,真皮上層の密な細胞浸潤巣が多数集簇し,免疫組織染色ではCD1aとS-100が陽性,langerinが陰性で,不定細胞組織球症と診断した。不定細胞組織球症とLangerhans細胞組織球症,その他の組織球系疾患との鑑別には,免疫染色が必須であった。本疾患は通常予後良好であるが,血液系の悪性腫瘍の合併報告もあり,慎重なフォローが望ましい。
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