Japanese
English
症例
アキシチニブによる創傷治癒遅延をきたしたうっ滞性皮膚潰瘍の1例
Stasis Ulcer with Protracted Wound Healing due to Axitinib
伏田 奈津美
1
,
澤田 知佐
1
,
小林 忠弘
1
,
大石 京介
1
,
松下 貴史
1
,
濱口 儒人
1
,
竹原 和彦
1
,
斎藤 佑希
2
Natsumi FUSHIDA
1
,
Tomoyo SAWADA
1
,
Tadahiro KOBAYASHI
1
,
Kyosuke OISHI
1
,
Takashi MATSUSHITA
1
,
Yasuhito HAMAGUCHI
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
,
Yuki SAITO
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚分子病態学(主任:竹原和彦教授)
2斎藤皮フ科クリニック
キーワード:
アキシチニブ
,
VEGFR阻害薬
,
創傷治癒遅延
Keyword:
アキシチニブ
,
VEGFR阻害薬
,
創傷治癒遅延
pp.1395-1398
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001544
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54歳,男性。5年前に両下肢静脈瘤に対して手術を施行された。4年前に多系統萎縮症を発症し下肢挙上困難となった。1年前より左腎細胞癌の多発肺転移に対して血管内皮細胞増殖因子受容体をターゲットとした選択的キナーゼ阻害薬であるアキシチニブの内服を開始した。1カ月前より左足背に皮膚潰瘍が出現し,鶏卵大まで拡大したため入院加療した。安静,下肢挙上のうえ保存的加療を試みたが皮膚潰瘍はさらに悪化したためアキシチニブを休薬したところ,皮膚潰瘍の急速な改善がみられ約2カ月で瘢痕治癒した。アキシチニブの副作用として創傷治癒遅延が報告されており,アキシチニブ内服中に難治性の皮膚潰瘍をきたした場合には休薬を考慮する必要がある。
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