Japanese
English
症例
乳癌のリンパ節郭清部位に生じた自傷による腋窩潰瘍の1例
Axillary Ulcer Associated with Self-mutilation in Postoperative Wound of Lymph Node Dissection for Breast Cancer
小林 忠弘
1
,
中堀 イリス
1
,
水牧 貴恵
1
,
竹内 明子
1
,
大石 京介
1
,
前田 進太郎
1
,
伊川 友香
1
,
竹原 和彦
1
Tadahiro KOBAYASHI
1
,
Irisu NAKABORI
1
,
Kie MIZUMAKI
1
,
Akiko TAKEUCHI
1
,
Kyosuke OISHI
1
,
Shintaro MAEDA
1
,
Yuka IKAWA
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
1金沢大学,皮膚科(主任:竹原和彦教授)
キーワード:
自傷
,
自傷性皮膚炎
,
虚偽性障害
,
ミュンヒハウゼン症候群
,
詐病
Keyword:
自傷
,
自傷性皮膚炎
,
虚偽性障害
,
ミュンヒハウゼン症候群
,
詐病
pp.381-384
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000628
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49歳,女性。2年前に左乳癌に対し乳房切除術およびリンパ節郭清術を施行された。術後創離開をきたしたため分層植皮術や広背筋皮弁術を施行されたが植皮片は脱落し,皮弁は創離開して14×7cm大の潰瘍となった。真菌・抗酸菌培養は陰性であり,病理組織で異型細胞は認めなかった。一貫して洗浄および軟膏外用による保存的加療のみを行ったところ,潰瘍は改善と増悪を繰り返し,潰瘍辺縁部には不自然な線状潰瘍が新生した。自傷を疑って創部を被覆するようギプス固定を行ったところ,潰瘍は2カ月で瘢痕治癒した。後に患者に対する夫の家庭内暴力が判明し,虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)もしくは詐病による自傷と考えた。
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