Japanese
English
症例報告
皮膚動脈炎による足趾壊疽に対しLDLアフェレーシスが奏効した1例
A case of toe gangrene caused by cutaneous arteritis successfully treated with LDL apheresis
伏田 奈津美
1
,
池田 智行
1
,
大石 京介
1
,
前田 進太郎
1
,
濱口 儒人
1
,
松下 貴史
1
,
西島 千尋
2
,
稲沖 真
2
Natsumi FUSHIDA
1
,
Tomoyuki IKEDA
1
,
Kyosuke OISHI
1
,
Shintaro MAEDA
1
,
Yasuhito HAMAGUCHI
1
,
Takashi MATSUSHITA
1
,
Chihiro NISHIJIMA
2
,
Makoto INAOKI
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学
2金沢医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, Kanazawa, Japan
2Division of Dermatology, Kanazawa Medical Center, Kanazawa, Japan
キーワード:
皮膚動脈炎
,
足趾壊疽
,
LDLアフェレーシス
Keyword:
皮膚動脈炎
,
足趾壊疽
,
LDLアフェレーシス
pp.963-969
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207138
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要約 69歳,女性.初診19か月前に足趾に紅斑,色素沈着が出現し,次第に下腿へと拡大,浮腫や疼痛も伴った.両下肢静脈瘤に対し手術加療を受けるも症状改善なく,2か月前に前医を受診した.下腿に分枝状皮斑と硬結を伴う紅斑を多数認め,経過で両第1趾にチアノーゼが出現したため紹介となった.臨床経過,病理組織学的所見に加え,皮膚外症状を欠くことから皮膚動脈炎と診断した.経過中に両第1趾壊疽に至り,ステロイド内服,抗血栓療法,末梢血管拡張療法に加え,血管形成術を行うも難治.LDLアフェレーシスを併用したところ,急速な改善がみられ約8か月で瘢痕治癒した.本症は一般的に予後良好であるが,循環障害の強い重症例では足壊疽による下肢切断例が報告されている.既存の循環改善治療が無効かつ外科的治療が困難な症例において,LDLアフェレーシスは患肢救済の点から今後の新たな治療選択肢になりうると考えられた.
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