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Rinsho Hifuka Volume 71, Issue 13 （December 2017）

臨床皮膚科 71巻13号（2017年12月発行）

Japanese English

症例報告

項部に生じた線維脂肪腫の1例 A case of fibrolipoma on the nucha 吉賀哲郎 ¹ , 平島昌生 ¹ , 児玉久幸 ² , 西田俊博 ³ Tetsuro YOSHIGA ¹ , Masao HIRASHIMA ¹ , Hisayuki KODAMA ² , Toshihiro NISHIDA ³ ¹独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院皮膚科 ²独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院放射線科 ³独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院病理診断科 ¹Division of Dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan ²Division of Radiology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan ³Division of Diagnostic Pathology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan キーワード：脂肪腫 , 線維脂肪腫 , 脂肪肉腫 Keyword: 脂肪腫 , 線維脂肪腫 , 脂肪肉腫 pp.1071-1076

発行日 2017年12月1日 Published Date 2017/12/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205271

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要約　69歳，男性．初診の約15年前より項部に皮下腫瘤を自覚し，徐々に増大傾向を認め，近医皮膚科を受診し，当科を紹介受診した．触診にて項部に7×3cm大で，弾性軟の可動性良好な腫瘤を触知した．CTで不整な密度の高い部位がみられ，MRIでT1強調像，T2強調像で不均一な信号を示し，隔壁様の線状の低信号がみられ，脂肪抑制ガドリニウム造影T1強調像では軽度の造影剤増強効果を示した．脂肪肉腫との鑑別に苦慮したが，臨床経過，生検結果から良性脂肪性腫瘍を考えて全身麻酔下に腫瘍を全摘出した．術後の病理組織学的所見より線維脂肪腫と診断した．術後1年が経過したが再発は認めない．項部に生じ，緩徐に増大する，CT，MRIで脂肪成分が主体だが，内部不均一で，軽度の造影剤増強効果がみられる腫瘍に遭遇した場合，線維脂肪腫も考慮すべきであり，造影効果の評価は良性悪性の判断に有用であると考えた．