Japanese
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特集 水疱症・膿疱症
免疫グロブリン大量静注療法が奏効した後天性表皮水疱症の1例
Epidermolysis Bullosa Acquisita Successfully Treated with Intravenous Immunoglobulin
小川 晋司
1
,
大槻 友紀
1
,
野老 翔雲
1
,
立石 千晴
2
,
鶴田 大輔
2
,
横関 博雄
1
Shinji OGAWA
1
,
Yuki OTSUKI
1
,
Shouun TOKORO
1
,
Chiharu TATEISHI
2
,
Daisuke TSURUTA
2
,
Hiroo Yokozeki
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,皮膚科学分野(主任:横関博雄教授)
2大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
免疫抑制剤
,
血漿交換療法
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
免疫抑制剤
,
血漿交換療法
pp.193-197
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001207
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70歳,女性。全身の多発性水疱とびらんで入院した。病理組織検査で表皮下水疱を認め,免疫ブロット法で患者血清のIgGは290kDaのⅦ型コラーゲンと反応し,後天性表皮水疱症と診断した。プレドニゾロン1.0mg/kgの投与で治療を開始したが,連日の新生水疱を認めた。既往歴に糖尿病があり,皮膚の二次感染も伴っていたため,ステロイド増量や免疫抑制剤の併用は行わず,免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)を施行した。水疱の新生は止まり,びらんは上皮化傾向を示し,ステロイドの減量が可能となった。IVIGは治療抵抗性で合併症を有する後天性表皮水疱症の症例に対して,比較的安全に行える治療法であると考えられた。
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