Japanese
English
症例報告
免疫グロブリン大量静注療法が著効した後天性表皮水疱症が疑われた1例
A suspected case of epidermolysis bullosa acquisita successfully treated with intravenous immunoglobulin
神山 由佳
1
,
長谷川 道子
1
,
永井 弥生
1
,
石川 治
1
,
福田 俊平
2
,
橋本 隆
2
Yuka KAMIYAMA
1
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Shunpei FUKUDA
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Gunma University Graduate School of Medicine,Maebashi,Japan
2Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
IVIg
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
抗ラミニンγ1類天疱瘡
,
免疫グロブリン大量静注療法
,
IVIg
pp.35-40
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103147
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要約 76歳,女性.初診の3か月前より軀幹,四肢に水疱,びらんが出現した.初診時,軀幹全体および四肢に水疱,びらんを伴う紅褐色斑が多発し,口腔粘膜にもびらんがみられた.ELISA法で抗BP180抗体,抗BP230抗体は陰性,抗Dsg1抗体が52.5 indexと陽性であった.病理組織学的に表皮下水疱を呈し,蛍光抗体直接法で基底膜部にIgG,C3が線状に沈着していた.1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法では真皮側に反応した.免疫ブロット法では対応抗原が検出できず,後天性表皮水疱症などを疑ったが確定診断には至らなかった.プレドニゾロン60mg/日の内服を開始したが,漸減時に皮疹が再燃,免疫グロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin:IVIg)が著効した.治療抵抗性で重篤な合併症を有する症例に対して,IVIgは比較的安全に投与でき検討すべき治療である.
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