Japanese
English
症例
右手首に生じたSporothrix globosaによる固定型スポロトリコーシスの1例
Fixed Cutaneous Sporotrichosis on the Right Wrist Caused by Sporothrix globosa
神﨑 美玲
1
,
高山 麻希
1
,
加納 塁
2
Mirei KANZAKI
1
,
Maki TAKAYAMA
1
,
Rui KANO
2
1水戸済生会総合病院,皮膚科(主任:神﨑美玲部長)
2日本大学生物資源科学部,獣医学科,獣医臨床病理学研究室,准教授
キーワード:
深在性皮膚真菌症
,
スポロトリコーシス
,
Sporothrix globosa
,
ヨウ化カリウム
,
局所温熱療法
Keyword:
深在性皮膚真菌症
,
スポロトリコーシス
,
Sporothrix globosa
,
ヨウ化カリウム
,
局所温熱療法
pp.1429-1432
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000933
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57歳,女性,主婦。8カ月前より手首に紅色丘疹と膿疱が出現し,次第に拡大して結節となった。初診時,右手首に鱗屑を付する暗赤色の結節がみられ,圧迫により排膿した。スポロトリキン反応は陽性。病理組織学的には,表皮の偽上皮腫瘍性増殖を伴い,真皮内に慢性肉芽腫性炎症がみられた。PAS染色では,組織内に球形の遊離菌要素が検出され,出芽像も散見された。病変部から分離された菌株は,形態学的特徴および遺伝子解析によりSporothrix globosaと同定された。ヨウ化カリウムの内服と,使い捨てカイロによる局所温熱療法を併用したところ,4カ月後に瘢痕治癒した。露出部位に難治な結節性,潰瘍性の病変をみた際には,本症を念頭に置いて精査すべきである。
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