特集 真菌症
Sporothrix globosaによる高齢男性の手指背に生じた固定型スポロトリコーシスの1例
勝野 正子
1
,
石川 秀幸
,
佐々木 哲雄
,
野澤 昭典
,
亀井 克彦
1国際医療福祉大学附属熱海病院 皮膚科
キーワード:
真菌DNA
,
Potassium Iodide
,
スポロトリクム症
,
手指
,
生検
,
経口投与
,
肉芽腫
,
皮膚疾患-手部
,
DNA配列分析
,
真菌培養
,
肝機能障害
,
園芸
,
Sporothrix schenckii
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
DNA, Fungal
,
Fingers
,
Hand Dermatoses
,
Granuloma
,
Potassium Iodide
,
Sporotrichosis
,
Sequence Analysis, DNA
,
Hepatic Insufficiency
,
Gardening
pp.679-682
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318343
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77歳男。右手指背に生じた難治性皮膚潰瘍を主訴とした。既往歴に2型糖尿病、高血圧、高脂血症、狭心症、不整脈、前立腺肥大があった。3ヵ月前に趣味のガーデニング・農作業中に右環指に棘が刺さり、市販の外用薬で治癒しなかった。右環指背に10mm大の辺縁隆起性の紅色結節があり、中央が潰瘍化していた。皮膚生検で慢性肉芽腫性炎症を認め、組織培養でSporothrix schenckii species complexが同定され、皮膚固定型スポロトリコーシスと診断した。尚、遺伝子解析により原因菌種はSporothrix globosaであることが判明した。抗真菌薬の投与を検討したが、循環器科の内服薬に併用禁忌薬のベプリジル塩酸塩水和物があること、肝機能障害があることから、ヨウ化カリウム0.4g/日の内服を開始した。その後、漸増し1.0g/日に達したところで維持量とした。内服開始から数えて計8週間内服したところ、臨床上略治となった。
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