Japanese
English
特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011
5.皮膚科医のための臨床トピックス
自傷への対処
Management of self-mutilation
羽白 誠
1
Makoto HASHIRO
1
1はしろクリニック
1Hashiro Clinic Dermatology and Psychosomatics,Osaka,Japan
キーワード:
自傷
,
自傷性皮膚炎
,
うつ病
,
境界型パーソナリティ障害
Keyword:
自傷
,
自傷性皮膚炎
,
うつ病
,
境界型パーソナリティ障害
pp.162-164
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102916
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 自傷はその形状として皮膚炎や皮膚潰瘍が過度に表現されたものから,明らかな外傷とわかるものまである.その背景としてはさまざまな精神的な要因がみられる.強迫観念によるものや妄想によるもの,衝動行為としてみられるもの,うつ状態から生じるものなどのほかに,単なる無知によるものまでといろいろである.しかし注意すべき点は,虐待を鑑別することと,自殺企図として生じているものである.そのためには発疹の形状をよく観察し,行為を起こした意味を聞いてみることである.発疹の形状が自分ではできない方向や深さなどであれば虐待を疑う必要がある.死にたいという気持ちがある場合は,直ちに精神科と連絡を取り,これ以上の行為を起こさないように防止する必要がある.この2点は診療時点で見逃さないようにしたいものである.他の精神的な背景については後日専門医を紹介することで,皮膚科的な対応のみでよい.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.