症例
水疱様外観を呈した巨大石灰化上皮腫の1 例
渡邉 光子
1
,
日浦 梓
1
,
玉木 毅
1
1国立国際医療研究センター病院,皮膚科(主任:玉木 毅医長)
キーワード:
石灰化上皮腫
,
巨大
,
水疱様外観
Keyword:
石灰化上皮腫
,
巨大
,
水疱様外観
pp.1879-1882
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000363
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25 歳,男性。約2 年前より左上腕に皮疹が出現し,徐々に増大したため当科を初診した。受診時,左上腕伸側に7 cm 大の紅色広基有茎性病変を認め,表面が水疱様外観を呈していた。病理組織学的所見では,腫瘍は好塩基性細胞と陰影細胞から構成されており,石灰化上皮腫と診断した。腫瘍辺縁の真皮層で著明な浮腫および拡張した管腔構造を多数認めた。巨大化した原因は外的刺激を受けやすい部位であること,初診までの期間が長かったことを考えた。また水疱様外観を呈した原因は,腫瘍の急速な増大により周囲の組織が伸展され,真皮の膠原線維間に浮腫を生じたことや腫瘍が周囲を圧迫しリンパ管や脈管にうっ滞を生じたことを考えた。
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