症例
メトトレキサートによる重度の血球減少と皮膚粘膜障害をきたした1 例
松浦 哲彦
1
,
竹内 そら
1
,
黒田 瑛里
1
,
岡野 達郎
1
,
門野 岳史
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
,
大岡 正道
2
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科(主任:相馬良直教授)
2同,リウマチ・膠原病・アレルギー内科
キーワード:
メトトレキサート
,
血球減少
,
皮膚粘膜障害
Keyword:
メトトレキサート
,
血球減少
,
皮膚粘膜障害
pp.1847-1850
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000356
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76 歳,女性。約3 年半前より関節リウマチでメトトレキサートを内服していた。4 日前から発熱や口腔内の疼痛を自覚し,その後体幹に紅斑が出現した。初診時,口唇や口腔粘膜にびらんがみられた。頸部や体幹には紅色丘疹,紫斑を混ずる暗紅色のびまん性紅斑を認め,Nikolsky 現象を伴った。血算,生化学では,WBC,Plt は著明に減少していた。病理組織学的所見では,表皮の個細胞壊死と表皮下水疱,真皮の好酸球やリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた。メトトレキサートによる重度の血球減少と皮膚粘膜障害と診断した。認知症によりメトトレキサートが過剰に内服されていた可能性があり,高齢者では注意が必要であると思われた。
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