Japanese
English
症例報告
メトトレキサート併用が奏効した成人Still病の1例
A case of adult onset Still's disease(AOSD)successfully managed with methotrexate
渡部 茉耶
1,2
,
森田 知世
1,2
,
栁瀬 哲至
1,3
Maya WATANABE
1,2
,
Chiyo MORITA
1,2
,
Tetsuji YANASE
1,3
1JA尾道総合病院皮膚科
2広島大学病院皮膚科
3広島市立安佐市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Onomichi General Hospital, Onomichi, Japan
2Division of Dermatology, Hiroshima University Hospital, Hiroshima, Japan
3Division of Dermatology, Hiroshima City Asa Citizens Hospital, Hiroshima, Japan
キーワード:
成人Still病
,
ステロイド抵抗性
,
メトトレキサート
Keyword:
成人Still病
,
ステロイド抵抗性
,
メトトレキサート
pp.151-156
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205951
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要約 38歳,女性.初診15日前より40℃台の弛張熱と咽頭痛・筋肉痛・大腿部の紅斑が出現し,出没を繰り返し全身へ拡大した.入院での抗菌薬加療にて症状は改善せず,全身筋肉痛が増悪し当科へ転院した.初診時,軀幹・四肢にKöbner現象を伴う紅斑を認め,血液検査では炎症反応の上昇,軽度の肝機能異常とフェリチンの著増があり,抗核抗体・リウマトイド因子は陰性であった.本症例を成人Still病(adult onset Still's disease:AOSD)と診断し,プレドニゾロン(PSL)0.7mg/kgで治療を開始するも,治療抵抗性のため1mg/kgへ増量.その後,ステロイドパルス療法を行ったが発熱・筋肉痛などの全身症状は改善しなかった.メトトレキサート(MTX)8mg/週を追加したところすべての症状は完全に消退し,フェリチンも正常化した.MTXはAOSDによる関節症状に対し有効とされているが,自験例ではステロイドとMTXの併用により筋肉痛を含む全身症状が改善しており,AOSDによる筋肉痛に対してもMTXは有効と考えられた.
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