Japanese
English
特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003
1.最近話題の皮膚疾患
ブフェキサマク含有外用剤による重症の接触皮膚炎の2例
Two cases of severe contact dermatitis due to bufexamac
竹中 祐子
1
,
宍戸 悦子
1
,
小林 里実
1
,
桧垣 祐子
1
,
川島 眞
1
Yuko TAKENAKA
1
,
Etsuko SHISHIDO
1
,
Satomi KOBAYASHI
1
,
Yuko HIGAKI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
キーワード:
ブフェキサマク
,
接触皮膚炎
Keyword:
ブフェキサマク
,
接触皮膚炎
pp.17-21
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101226
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
症例1は58歳,女性.右腰部の帯状疱疹に対しアンダーム(R)軟膏を塗布したところ,外用4日目より外用部とその周囲に紅斑が出現し,外用中止後も軀幹,四肢,さらに顔面へと拡大した.38.5℃の発熱と,外用部および顔面の紅斑上に小膿疱を伴った.症例2は78歳,女性.頚部,上肢の日光皮膚炎に対しデムコAローション(R)を外用したところ,2日目より外用部とその周囲に浮腫性紅斑が出現し,外用中止後も顔面,軀幹に拡大した.2例ともステロイド外用療法のみでは不十分で,プレドニゾロン30mg/日の内服を要した.ブフェキサマクによる重症の接触皮膚炎は,外用部位を越えて遠隔部位にも皮疹を生じ,外用中止後も皮疹の遷延,拡大をみること,全身倦怠感,発熱などの全身症状を伴うことが特徴と思われた.皮疹が遷延,広範囲に拡大する要因として,本剤の強い抗原性に加え,抗原物質が皮膚に長期残存することが考えられた.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.