症例
全身に結節が多発した第2期梅毒の1例
大藪 尚美
1
,
氏野 由理
1
,
筒井 清広
1
,
小谷 岳春
2
1石川県立中央病院,皮膚科(主任:筒井清広診療部長)
2同,免疫感染症科
キーワード:
第2期梅毒
,
結節性梅毒
,
HIV感染症
Keyword:
第2期梅毒
,
結節性梅毒
,
HIV感染症
pp.1327-1330
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000133
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52歳,男性。5年前にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症と診断され,その際は梅毒血清反応が陰性であった。3週間前に顔面に紅色結節が多発し体幹・四肢に拡大した。一部自潰し,痂皮,びらんを伴った。梅毒RPR値217.8倍,抗TP抗体38.12,CD4数256/μl。皮膚生検で毛囊周囲および付属器周囲にリンパ球,形質細胞,組織球の密な浸潤を認めた。HIV 感染者に生じた結節性梅毒と診断した。アモキシシリン1000mg/日を2週間後1500mg/日に増量し,合計8週間投与し皮疹は消退。梅毒RPR値は3.2に低下した。自験例は結節性梅毒でびらんや潰瘍形成,結節の融合がみられたため当初は第3 期梅毒疹と考えたが,病理組織学的所見で肉芽腫形成,乾酪壊死がみられなかったため第2期梅毒疹と診断した。
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