症例
前立腺癌治療により顎骨壊死から皮膚瘻孔を生じた1例
佐川 展子
1
,
内田 敬久
1
,
向所 純子
1
,
檜谷 真希
1
,
池田 信昭
1
,
一山 伸一
1
,
河野 克之
1
1横須賀共済病院,皮膚科(主任:河野克之部長)
キーワード:
皮膚瘻孔
,
顎骨壊死
,
ビスホスホネート製剤
,
MRONJ
,
前立腺癌
Keyword:
皮膚瘻孔
,
顎骨壊死
,
ビスホスホネート製剤
,
MRONJ
,
前立腺癌
pp.1289-1293
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000124
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80 歳,男性。2009年に前立腺癌の腰椎転移に対してビスホスホネート製剤であるゾレドロン酸とリセドロン酸ナトリウムを併用した。その後,下顎に顎骨壊死が生じ薬剤の関与を考慮してデノスマブに変更した。しかし,同部位に細菌感染を生じ皮膚瘻孔を形成した。抗菌薬の内服で排膿は消失したが,瘻孔は残存したままである。日常診療においてステロイド剤使用時にビスホスホネート製剤を併用する機会が多くみられるが,投薬の際には顎骨壊死がおこる可能性を考慮し,経過中に顎周囲の発赤や腫脹,皮膚瘻孔を認めた際には顎骨壊死を念頭に置く必要がある。
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