特集 リンフォーマ・白血病
中毒疹様皮疹と皮膚瘙痒が診断に先行したホジキンリンパ腫の1例
土井 知江
1
,
高橋 祐史
1
,
釜江 剛
2
,
有馬 良一
3
,
園田 早苗
1
1SONODA,国家公務員共済組合連合会大手前病院,皮膚科(主任:園田早苗部長)
2同,血液内科
3同,病理診断科
キーワード:
中毒疹
,
皮膚瘙痒
,
ホジキンリンパ腫
,
非特異疹
Keyword:
中毒疹
,
皮膚瘙痒
,
ホジキンリンパ腫
,
非特異疹
pp.1246-1250
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000114
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61歳,男性。両下腿に紅斑,紫斑を認め,薬疹を疑われた。内服中止により一旦消退したが,体幹にも紅斑が新生するようになり,当科を紹介受診した。ステロイド軟膏外用で皮疹は消失したが,抗ヒスタミン薬無効の頑固な全身の皮膚瘙痒感が出現した。皮膚瘙痒感は軽快せず,経過中に皮疹の再燃と発熱,頸部リンパ節腫脹を伴うようになった。血液検査で貧血と血小板減少,sIL‒2R高値を認め,血液内科でホジキンリンパ腫と診断された。化学療法を施行され,皮疹と皮膚瘙痒感は消退した。皮疹部の病理組織学的所見では異型リンパ球の浸潤は認められず,皮疹と皮膚瘙痒感はホジキンリンパ腫の非特異疹として出現したと考えた。
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