特集 真菌症
落葉状天疱瘡患者に生じた播種性クリプトコッカス症の1例
中田 礼
1
,
岩名 沙奈恵
1
,
春原 晶代
1
,
石原 政光
2
,
榊原 茂
3
1聖霊会聖霊病院,皮膚科(主任:春原晶代部長)
2同,内科
3やまて皮フ科,名古屋市
キーワード:
播種性クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
免疫抑制状態
Keyword:
播種性クリプトコッカス症
,
Cryptococcus neoformans
,
免疫抑制状態
pp.1111-1115
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000075
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99 歳,女性。落葉状天疱瘡に対してプレドニゾロンを内服しており,徐々に減量中であった。治療開始5 カ月後より左前腕にびらんが生じ,ステロイド剤外用を行うも徐々に増悪傾向であった。当科受診時,左前腕に皮膚潰瘍を認め,同部の病理組織学的所見では真皮から皮下組織にかけて多数の類円形の菌体がみられた。皮膚組織,血液,髄液,尿からCryptococcus neoformans が同定され,播種性クリプトコッカス症と診断。抗真菌薬投与を行うも,全身状態が悪化し2 カ月後に永眠された。免疫抑制状態の患者にびらんや潰瘍が生じた場合,クリプトコッカス症も鑑別として考え,早期に全身を含めた検索を行うことが必要である。
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