特集 真菌症
超低出生体重児における皮膚アスペルギルス症の1例
廣川 悠季
1
,
大橋 洋之
1
,
村上 富美子
1
,
鈴木 真波
2
1MURAKAMI,聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院,皮膚科(主任:村上富美子部長)
2同,新生児科
キーワード:
皮膚アスペルギルス症
,
超低出生体重児
,
早産児
Keyword:
皮膚アスペルギルス症
,
超低出生体重児
,
早産児
pp.1117-1122
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000076
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日齢11,男児。在胎23 週0 日で出生,644 g の超低出生体重児。一絨毛膜二羊膜性双胎,第2 子。第1 子は出生後死亡した。日齢4 より背部に表皮剝離,白色壊死組織が出現した。日齢11 の当科初診時,背部に白色壊死組織と潰瘍を認めた。背部の鏡検で糸状菌が陽性であり,真菌培養でAspergillus fumigatusが検出された。血中β-D‒グルカンは100.9 pg/ml と上昇していた。皮膚アスペルギルス症と診断し,同日よりボリコナゾール(7.8 mg/kg/日)点滴を開始した。徐々に背部の白色壊死組織は消失し潰瘍も上皮化,最終的に瘢痕を残して治癒した。低出生体重児では皮膚バリア機能が未熟であるため皮膚アスペルギルス症を生じることがあり,注意を要する。
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