症例報告
乳頭ピット黄斑症候群の自然経過で後部硝子体剥離を生じ網膜分離症が改善した1例
松本 真生
1
,
三村 健介
1
,
篠原 洋一郎
1
,
秋山 英雄
1
1群馬大学大学院医学系研究科眼科学
キーワード:
視神経乳頭ピット
,
乳頭ピット黄斑症候群
,
網膜分離症
,
後部硝子体剥離
,
光干渉断層計
,
硝子体
Keyword:
視神経乳頭ピット
,
乳頭ピット黄斑症候群
,
網膜分離症
,
後部硝子体剥離
,
光干渉断層計
,
硝子体
pp.821-825
発行日 2025年9月5日
Published Date 2025/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004280
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乳頭ピット黄斑症候群の自然経過で後部硝子体剥離(PVD)を生じ網膜分離症が改善した症例を経験したので報告する。患者は64歳女性。左眼の見づらさを自覚し近医を受診し,左眼底に網膜分離所見がみられたことから,精査加療目的で当院紹介となった。初診時矯正視力は右眼(1.2),左眼(1.2)。前眼部・中間透光体に明らかな異常はなかったが,光干渉断層計(OCT)で左視神経乳頭と連続する網膜内層の分離がみられ,乳頭ピット黄斑症候群と診断した。硝子体手術も検討されたが矯正視力良好であり,1か月後の再診時も所見の悪化がなかったため経過観察となった。初診から3年5か月後,自然経過中に左眼にPVDが起こり,その前後でOCTにおいて網膜分離所見の改善がみられ,自覚症状も改善した。乳頭ピット黄斑症候群はPVDに伴って網膜分離が自然に軽快する可能性がある。

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