症例報告
両網膜の白点状変化および左視神経萎縮を呈した極度な偏食のある自閉スペクトラム症男児の1例
森本 慧太
1
,
甘利 裕明
1
,
井岡 大河
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 頭頸部・感覚器外科学講座 眼科学
キーワード:
ビタミンA欠乏症
,
自閉スペクトラム症
,
視神経管狭窄
,
網膜白点
,
視神経萎縮
,
偏食
Keyword:
ビタミンA欠乏症
,
自閉スペクトラム症
,
視神経管狭窄
,
網膜白点
,
視神経萎縮
,
偏食
pp.277-283
発行日 2026年3月5日
Published Date 2026/3/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004592
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両眼網膜の白点状変化と左視神経萎縮を呈した10代男児で,自閉スペクトラム症に伴う極度の偏食およびビタミンA欠乏症が判明した症例を経験したので報告する。症例は10代男児。2年前から左眼視力低下を自覚し,学校健診を契機に当院紹介となった。矯正視力は右1.0,左0.02で,眼底検査で両網膜の散在性白点,左視神経乳頭蒼白がみられた。限界フリッカ値は左眼で低下しており,網膜電図では杆体応答の減弱を伴っていた。血液検査ではぶどう膜炎の原因となり得る所見は認められず,極度の偏食歴から測定した血中ビタミンA濃度は5μg/dL未満であった。頭部コンピュータ断層撮影では左視神経管狭窄を認めた。精神科において自閉スペクトラム症に伴う偏食が指摘され,小児科と連携しビタミンA補充療法を施行した。治療後は両眼の白点消退および網膜電図での波形改善がみられ,左眼では矯正視力および限界フリッカ値の改善傾向が認められた。自閉スペクトラム症による偏食に起因したビタミンA欠乏症が,網膜白点変化や視神経障害に関与した可能性が示唆された。

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