症例報告
片眼性網膜色素変性が疑われる症例に対してマイクロペリメータMP-3で評価を行った1例
河合 秀紀
1,2
,
井岡 大河
1
,
太田 淳也
1
,
後藤 健介
1
,
小南 太郎
1
,
小栁 俊人
1
1名古屋大学医学部附属病院眼科
2名古屋医療センター眼科(愛知県)
キーワード:
片側性網膜色素変性
,
マイクロペリメータMP-3
,
Humphrey自動視野計10-2
,
unilateral retinitis pigmentosa
,
microperimeter MP-3
,
Humphrey Field Analyzer 10-2
Keyword:
片側性網膜色素変性
,
マイクロペリメータMP-3
,
Humphrey自動視野計10-2
,
unilateral retinitis pigmentosa
,
microperimeter MP-3
,
Humphrey Field Analyzer 10-2
pp.791-798
発行日 2024年8月5日
Published Date 2024/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003731
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片眼性網膜色素変性が疑われる症例の両眼の視野をHumphrey自動視野計(以下HFA)とマイクロペリメータMP-3(以下MP-3)で評価し比較した。症例は72歳女性。右眼に網膜変性所見を認め,精査目的に紹介受診となった。初診時視力は右0.5(0.8×S+1.50D C−0.75D Ax120°)/左0.6(1.0×S+1.25D)で,眼底は右眼周辺部に骨小体様色素沈着を認め,網膜電図では右眼にのみ錐体・杆体反応ともに振幅の減弱がみられた。眼底自発蛍光画像とMP-3の各検査点における網膜感度を比較すると,眼底自発蛍光画像の低蛍光領域に一致して,MP-3では網膜感度0dBの点を認めた。一方で,HFA 10-2についても同様に眼底自発蛍光画像を比較すると,眼底自発蛍光画像の低蛍光領域とHFA 10-2における網膜感度0dBの点は一致しなかった。また,右眼についてはHFA 10-2と比較しMP-3では中心部から周辺部に向けて網膜感度が単調に減少する,より顕著な傾向を示した。MP-3は片眼性網膜色素変性が疑われる症例の変性眼の網膜感度低下をより高い網膜機能−構造関連性に基づき検出できる可能性があると考えられた。
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