私の経験
誤嚥後に網膜出血を起こした網膜細動脈瘤の1例
岡本 紀夫
1
,
木坊子 展生
2
,
渡邉 敦士
3
,
中井 慶
2
1おかもと眼科(大阪府)
2淀川キリスト教病院眼科(大阪府)
3大阪大学医学部眼科学教室
キーワード:
網膜細動脈瘤
,
飛蚊症
,
ドルーゼン
,
Valsalva出血性網膜症
Keyword:
網膜細動脈瘤
,
飛蚊症
,
ドルーゼン
,
Valsalva出血性網膜症
pp.605-609
発行日 2024年6月5日
Published Date 2024/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003663
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中心窩ドルーゼンの経過観察中に発症した網膜細動脈瘤の1例を報告する。患者は74歳女性。左眼の網膜色素上皮の隆起性病変で経過観察中,誤嚥後に急に左眼の視力低下をきたしたため,翌日,当院を受診した。左眼の視力は矯正0.2で,眼底検査で網膜前出血と網膜下出血を認めたことから淀川キリスト教病院眼科に紹介した。硝子体手術が施行され,その後の眼底検査で網膜細動脈瘤が確定診断できた。網膜細動脈瘤発症3か月前の眼底写真を再検討したが,網膜細動脈瘤は認められなかった。光干渉断層計所見を見直したところ検眼鏡的に気づかなかった網膜細動脈瘤と思われる網膜肥厚が存在していたことから,発症前の3か月の間に網膜細動脈瘤が拡大し,誤嚥が誘因となって破裂に至った可能性が考えられた。
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