私の経験
眼症状を契機に脈絡膜を含む全身多発転移が発見された乳癌の1例
安田 慎吾
1
,
住岡 孝吉
1
,
吉田 太理
1
,
泉谷 愛
2
,
雑賀 司珠也
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
2医療法人稲祥会 稲田病院眼科(和歌山県)
キーワード:
乳癌
,
眼内悪性腫瘍
,
転移性脈絡膜腫瘍
,
脈絡膜腫瘍
,
漿液性網膜剥離
,
PET/CT
Keyword:
乳癌
,
眼内悪性腫瘍
,
転移性脈絡膜腫瘍
,
脈絡膜腫瘍
,
漿液性網膜剥離
,
PET/CT
pp.193-198
発行日 2024年2月5日
Published Date 2024/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003524
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左眼の変視症と視力低下を生じ,眼科診察を契機に脈絡膜を含む全身多発転移が発見された乳癌の1例を経験した。両眼底に隆起性病変があり,フルオレセイン蛍光眼底造影検査で隆起性病変の過蛍光を認めた。Optical coherence tomographyでは黄斑部の漿液性剥離と,脈絡膜のドーム状の隆起を認めた。初診時,10年前に乳癌の既往があったが申告されていなかった。転移性脈絡膜腫瘍を疑いPET/CT(positron emission tomography/computed tomography)検査を行い,脈絡膜を含む全身多発転移を認めた。乳癌はほかの癌と比較して進行の遅い癌であるため,長期間経過しても転移には注意が必要である。また,本症例のように患者は完治したと考えている疾患を既往歴として申告しないことがあり,既往歴聴取の際には十分に注意を払うことが重要である。
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