Japanese
English
臨床報告
急性膵炎を契機として発見された乳癌膵転移の1例
A case of acute pancreatitis due to a metastatic pancreatic tumor from breast cancer
高他 大輔
1
,
山田 達也
1
,
坂元 一郎
1
,
大木 孝
1
,
星野 崇
2
,
竹吉 泉
3
Daisuke TAKATA
1
1国立病院機構高崎総合医療センター外科
2国立病院機構高崎総合医療センター消化器科
3群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
キーワード:
乳癌
,
転移性膵腫瘍
,
急性膵炎
Keyword:
乳癌
,
転移性膵腫瘍
,
急性膵炎
pp.929-934
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104155
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要旨
患者は44歳,女性.41歳時に左乳癌に対して乳腺部分切除および腋窩リンパ節郭清を行った〔Invasive ductal carcinoma,ER(-),PgR(-),HER2 negative〕.骨転移,肺転移後の術後3年7か月目に心窩部痛を認めた.精査の結果,膵頭部腫瘤に伴う急性膵炎と診断した.内視鏡的胆道ドレナージチューブと膵管チューブの挿入によって経過観察していたが,Vater乳頭部に発赤を認め,同部の生検から乳癌の膵転移と診断した.FEC(5-FU,塩酸エピルビシン,シクロホスファミド)療法を6コース行い,腫瘤の縮小とともに症状の改善を得た.乳癌の膵臓転移は非常に稀であり,原発性膵癌との鑑別が難しい場合が多い.鑑別には免疫組織学的染色が有効であり,QOLを考慮した治療が望まれる.
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