症例報告
中心性漿液性脈絡網膜症様の噴出型蛍光色素漏出を認めた脈絡膜血管腫の1例
廣澤 浩美
1
,
森 隆三郎
1
,
田中 公二
1
,
川村 昭之
1
,
小野江 元
1
,
中静 裕之
1
1日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
キーワード:
脈絡膜血管腫
,
中心性漿液性脈絡網膜症
,
橙赤色隆起病巣
,
噴出型蛍光色素漏出
,
漿液性網膜剥離
,
光線力学療法
Keyword:
脈絡膜血管腫
,
中心性漿液性脈絡網膜症
,
橙赤色隆起病巣
,
噴出型蛍光色素漏出
,
漿液性網膜剥離
,
光線力学療法
pp.995-1003
発行日 2020年10月5日
Published Date 2020/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001830
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中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorioretinopathy:CSC)様の噴出型蛍光色素漏出を認めた脈絡膜血管腫の1例を報告する。
43歳男性,主訴は1年6か月前から持続する右眼変視。右眼視力(1.2),右眼黄斑部に橙赤色の網膜色素上皮の隆起病巣と漿液性網膜剥離(serous retinal detachment:SRD)を認め,インドシアニングリーン蛍光眼底造影では,造影早期に腫瘍血管,後期に隆起病巣に一致して過蛍光を認め,脈絡膜血管腫と診断した。フルオレセイン蛍光眼底造影で脈絡膜血管腫の範囲に過蛍光の所見は認めず,中心窩近傍にCSC様の噴出型蛍光色素漏出を認めた。本症のSRDの発症には脈絡膜血管腫とCSCが関与していると判断し,蛍光色素漏出部位を含めた腫瘍の範囲に光線力学療法(photodynamic therapy:PDT)を施行した。PDT 3か月後右眼視力(1.0)。フルオレセイン蛍光眼底造影では蛍光色素漏出は消失し,SRDは消失した。
噴出型の蛍光色素漏出部位が脈絡膜血管腫の隆起部位内にあり,PDTが著効し,SRDが吸収したことから,脈絡膜血管腫の圧迫がCSC様の蛍光漏出に関与していたと考えた。
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