特集 新生血管型加齢黄斑変性に対する抗VEGF療法の現在
1 抗VEGF薬の使い分け
向井 亮
1
1福島県立医科大学眼科学講座
キーワード:
ranibizumab
,
aflibercept
,
faricimab
,
brolucizumab
,
ranibizumab-BS
Keyword:
ranibizumab
,
aflibercept
,
faricimab
,
brolucizumab
,
ranibizumab-BS
pp.3-8
発行日 2024年1月5日
Published Date 2024/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003472
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本邦では2006年に新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)に対する治療薬として抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の使用が開始され,その視機能の短期的,長期的改善効果が日本人においても確認されている1)。2023年9月現在,保険収載のある新生血管型加齢黄斑変性(nAMD)に対する抗VEGF薬として,ranibizumab(ラニビズマブ),aflibercept(アフリベルセプト),brolucizumab(ブロルシズマブ),faricimab(ファリシマブ),ranibizumab-biosimilar(ラニビズマブBS)の5種類があり,それら薬剤の特性に関しては表1にまとめた。一方で,nAMDはそのサブタイプとして,type 1 macular neovascularization(MNV),type 2 MNV,type 1 and type 2 MNV,type 3 MNV,PCV(ポリープ状脈絡膜血管症),PNV(pachychoroid neovasculopathy)へと分類されることが一般的であり,治療効果はそれらサブタイプによって異なる可能性が高い。したがってこれら5種類の薬剤は,主に患者のnAMDの病型分類を考慮して選択することが多く,その他,全身合併症,社会的状況などを複合的に鑑みながら最終決定されている。本稿では,これらの薬剤の特性,病型ごとのエビデンス,副作用,社会点観点,基礎的観点からの特性を述べ,それぞれの薬剤をどのように使っていくかについて概説する。
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