黄斑下出血のマネージメント
2.抗VEGF薬
井上 麻衣子
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
pp.1085-1089
発行日 2022年11月5日
Published Date 2022/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002859
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黄斑下出血(submacular hemorrhage:SMH)は滲出型加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD),特にポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)に伴って起こる比較的まれな病態だが,未治療で重篤な視力低下をきたす。視力低下を引き起こすメカニズムとしては,網膜に対する鉄・へモジデリン毒性や網膜外層・網膜色素上皮間の代謝障害,フィブリン塊の牽引による網膜障害などが関与するといわれている。したがって,早期に治療介入を行い黄斑下の出血を除去することが視力低下防止に重要である。現在SMHに対して行われている治療法としては硝子体手術,ガス注入など術者によりさまざまであるが,本稿では滲出型AMDの主要な治療薬である抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬を用いたSMHのマネージメントについて述べる。
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