綜説
抗VEGF薬の全身への影響
小幡 峻平
1
,
大路 正人
1
1滋賀医科大学眼科学講座
キーワード:
血管内皮増殖因子
,
VEGF
,
硝子体内注射
,
副作用
,
全身
,
有害事象
Keyword:
血管内皮増殖因子
,
VEGF
,
硝子体内注射
,
副作用
,
全身
,
有害事象
pp.741-745
発行日 2023年8月5日
Published Date 2023/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003217
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成人では加齢黄斑変性,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫,糖尿病黄斑浮腫などに対する治療は,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬硝子体内注射が治療の主流となっており,視機能の維持・改善が期待できるようになってきた。また,抗VEGF薬の種類としてはベバシズマブの適応外使用から始まり,ペガプタニブナトリウム(現在は製造終了),ラニビズマブ,アフリベルセプト,ブロルシズマブ,ファリシマブなど多くの抗VEGF薬が使用可能になってきている。小児においては未熟児網膜症に対して,ベバシズマブが適応外使用されていた時期もあったが,現在はラニビズマブ,アフリベルセプトが認可され,保険適用となっている。成人と小児では抗VEGF薬の全身への影響が異なる可能性があることから,本稿では成人と小児に分けて議論したいと思う。
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