特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅱ 白内障・屈折矯正 2 有水晶体眼内レンズ挿入眼に対する白内障手術(前房型・後房型)
荒井 宏幸
1
1みなとみらいアイクリニック(神奈川県)
pp.955-958
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003291
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有水晶体眼内レンズ(以下Phakic IOL)の症例数は近年増加傾向にある。LASIK手術の希望者の多くがPhakic IOLへ移行したような状況と考えられる。Phakic IOLは本来的に強度近視眼への矯正手術であり,強度近視眼では白内障出現年齢は比較的若年であることが多い。そうした素因を踏まえたうえで手術適応や術後の定期検査を行う必要がある。また,LASIKを含め屈折矯正手術を受けた経験のある患者は,裸眼での生活を希望することが多く,白内障手術においても多焦点眼内レンズを希望する割合が高い。Phakic IOLの抜去と白内障手術を同時に行う場合には,切開創の大きさによっては縫合する症例もある。したがって日常的に行っている小切開白内障手術とは惹起乱視が大きく異なるため,多焦点眼内レンズを用いる場合には,ある程度の経験が必要と思われる。
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