特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅱ 白内障・屈折矯正 5 軽微な水晶体・眼内レンズ振盪がみられる視力が良好な患者への対処法
永田 万由美
1
1獨協医科大学眼科
キーワード:
水晶体振盪
,
眼内レンズ振盪
,
水晶体脱臼
,
眼内レンズ脱臼
Keyword:
水晶体振盪
,
眼内レンズ振盪
,
水晶体脱臼
,
眼内レンズ脱臼
pp.1161-1163
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003858
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水晶体・眼内レンズ(intraocular lens:IOL)振盪は,瞬目や眼球を動かした際に水晶体,IOLが揺れる状態であり,Zinn小帯の一部が脆弱化,損傷,または欠損することで起こる1)2)。有水晶体眼のZinn小帯脆弱の原因として,先天性疾患のMarfan症候群,Weill-Marchesani症候群,ホモシスチン尿症,および球状水晶体,先天無虹彩症,先天緑内障,虹彩欠損,網膜色素変性症などがあり,後天性疾患では,偽落屑症候群(pseudoexfoliation syndrome:PEX)や鈍的外傷後がある。IOL挿入眼における原因としてはPEX,高齢,網膜色素変性症,男性,硝子体・網膜手術歴,ぶどう膜炎,高度近視,アトピー性皮膚炎などが挙げられ,高齢化社会の進行と超音波乳化吸引術の普及により年々発生率は増加している3)。手術加療を行う場合,硝子体手術やIOL強膜内固定術などが必要になるので,設備と術者が揃っている施設への紹介が必要となる。
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