特集 アトピー性皮膚炎患者に対する眼科手術
2 アトピー白内障
朝生 浩
1
1経堂あそう眼科(東京都世田谷区)
キーワード:
アトピー白内障
,
アトピー性皮膚炎
,
水晶体脱臼
,
Zinn小帯脆弱
,
ケバブ法
,
わたあめ法
Keyword:
アトピー白内障
,
アトピー性皮膚炎
,
水晶体脱臼
,
Zinn小帯脆弱
,
ケバブ法
,
わたあめ法
pp.821-825
発行日 2022年9月5日
Published Date 2022/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002773
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アトピー白内障はアトピー性皮膚炎の悪化に伴い,顔面を叩いたり(facial tapping),眼瞼をこすったり(ocular rubbing)して生じる外傷を起点としていると考えられる。アトピー素因を有する患者は皮膚炎や眼瞼炎のコントロールが悪いと幼少期から眼瞼の掻破行為や叩打を行うため比較的若年から白内障を発症するケースが多く,早期から視力を低下させる一因となる。治療は手術療法のみとなるが,通常の白内障よりも水晶体混濁が強く,水晶体を支えるZinn小帯も脆弱化し,難症例となる可能性がある。また,周術期の眼瞼のケアや点眼管理を怠ると,手術を難しくするだけでなく,感染症や術後の眼内レンズ偏位,網膜剥離といったさまざまな合併症を生じるリスクを持ち,通常の白内障手術よりも注意が必要である。今回はアトピー白内障診療のポイントを術前・術中・術後に分け,それぞれのポイントを解説する。
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