特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例
Ⅲ.ハイリスク症例―私はこうする
アトピー性白内障
松尾 俊彦
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科機能制御学講座(眼科学)
pp.250-253
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100830
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はじめに
「まとめ」から始める。
1)アトピー性皮膚炎では術後感染のリスクが高い!
・顔面のアトピー性皮膚炎が沈静化してから手術をしよう。
・アトピー性皮膚炎の眼瞼にはMRSAが多い。
・眼球を叩いたり,こすったりする習癖がある。
・術前の眼脂培養は念入りにしよう。
・術前に予防的抗生物質の点眼を必ずしよう。
2)アトピー性白内障では,網膜剝離があることが多い。
・術前に眼底をよく見よう。
・術前に超音波検査をしよう。
3)アトピー性白内障では,水晶体偏位や赤道部欠損が多い。
・しかし,手術に影響は少ない。
4)アトピー性皮膚炎では,白内障術後の前囊収縮が強い。
・大きいしっかりした眼内レンズを挿入しよう。
・術後の前囊収縮が毛様体上皮裂孔を誘発するという説もある。
5)眼球を叩く習癖に対応する。
・強角膜切開3.5mmでも5mmでも,1糸縫合しよう。
・角膜切開はやめよう。
・結膜切開も縫合しよう。
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