症例報告
スーチャートラベクロトミー眼内法術後に膨隆虹彩(iris bombé)が生じた1例
関谷 友宏
1
,
田片 将士
1
,
横山 弘
1
,
神野 早苗
1
,
五味 文
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
膨隆虹彩
,
iris bombé
,
スーチャートラベクロトミー眼内法
,
虹彩後癒着
,
前房出血
,
blood aqueous barrier
,
MIGS
Keyword:
膨隆虹彩
,
iris bombé
,
スーチャートラベクロトミー眼内法
,
虹彩後癒着
,
前房出血
,
blood aqueous barrier
,
MIGS
pp.781-785
発行日 2022年8月5日
Published Date 2022/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002740
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スーチャートラベクロトミー眼内法術後に膨隆虹彩(iris bombé)を生じた1例を報告する。症例は83歳,女性。近医より右眼眼圧上昇のため手術加療目的で紹介となった。眼圧高値のためスーチャートラベクロトミー眼内法+水晶体再建術を施行した。術後前房出血が残存していたものの術後眼圧は10mmHg前半で経過したため,自然吸収を期待して経過観察とした。術後44日目で眼痛を訴え当院受診。受診時の眼圧は60mmHgと高値で,瞳孔縁に沿って全周性に虹彩後癒着を生じ,膨隆虹彩を生じていた。レーザー虹彩切開術を施行し,術後眼圧は13mmHgまで下降した。スーチャートラベクロトミー眼内法は眼表面への侵襲は低いが,術後前房内炎症が強く生じる可能性が大きいため,十分な消炎と瞳孔管理を行うとともに注意深い経過観察が必要である。
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