症例報告
トラベクロトミー眼内法後に前房蓄膿を生じたぶどう膜炎に伴う続発緑内障の2症例
多木 一喬
1
,
田片 将士
1
,
横山 弘
1
,
五味 文
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
続発緑内障
,
トラベクロトミー眼内法
,
前房蓄膿
,
ぶどう膜炎
,
secondary glaucoma
,
trabeculotomy ab interno
,
hypopyon
,
uveitis
Keyword:
続発緑内障
,
トラベクロトミー眼内法
,
前房蓄膿
,
ぶどう膜炎
,
secondary glaucoma
,
trabeculotomy ab interno
,
hypopyon
,
uveitis
pp.545-550
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004181
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トラベクロトミー眼内法後に前房蓄膿をきたした2症例を報告する。症例1は82歳,男性。両眼落屑緑内障,両眼ぶどう膜炎の既往があり,他院で治療後経過観察中であった。眼圧上昇に対して保存的加療で左眼眼圧が28mmHgと上昇してきたため,当院へ紹介となった。左眼にマイクロフックを用いたトラベクロトミー眼内法を施行した。術後左眼の眼圧は16mmHgと下降し,前房内炎症が消失したものの,術後40日目の再診時に前房蓄膿が出現した。症例2は48歳,男性。右眼ぶどう膜炎の既往があり,右眼の霧視を自覚し,非感染性ぶどう膜炎により当院へ紹介となった。ステロイドによる治療後,炎症は消失したものの保存的加療で右眼眼圧が45mmHgと上昇してきたため,右眼5-0ナイロン糸によるトラべクロトミー眼内法を施行した。術後右眼の眼圧は12mmHgと下降し,前房内炎症はいったん消失したものの,術後70日目に前房蓄膿が出現した。トラベクロトミー眼内法をぶどう膜炎の既往のある症例に対して行う際はぶどう膜炎の再発に十分に注意する必要があると考えられた。

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