４ 転移性眼部腫瘍に対する非観血的治療戦略

眼球や眼窩などの眼部に腫瘍の転移が生じた際には，既にステージⅣの段階であり，外科的治療などの侵襲的治療を行う状況にはない。しかしながら眼部腫瘍のマネージメントは，残された生命予後の質に確実に直結するものであり，QOL（quality of life）の確保においてQOV（quality of vision）は何よりも大切である。転移性腫瘍は，ぶどう膜の悪性黒色腫を凌ぐ最多の眼内悪性腫瘍であり，本稿では転移性眼部腫瘍，なかでも眼内腫瘍を中心として，非観血的治療戦略について述べていく。