特集 眼腫瘍に対する非観血的治療
5 小児視神経腫瘍に対する最近の考え方
柳澤 隆昭
1
1東京慈恵会医科大学脳神経外科
キーワード:
optic pathway glioma
,
視神経膠腫
,
視路
,
低悪性神経膠腫
,
放射線治療
,
化学療法
Keyword:
optic pathway glioma
,
視神経膠腫
,
視路
,
低悪性神経膠腫
,
放射線治療
,
化学療法
pp.961-969
発行日 2020年10月5日
Published Date 2020/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001826
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
最もよく知られる小児眼腫瘍は,網膜芽細胞腫であり,眼科学的症状を初発症状に眼科医が診断への契機を見出すことの多い腫瘍である。同様の可能性の高い小児腫瘍が視路(optic pathway)に発症する低悪性度神経膠腫(low-grade glioma:以下LGG)である視神経膠腫(optic pathway glioma:以下OPG)である。視路は,視神経乳頭から視神経,視交叉,視索,視放線を経て後頭葉第1視覚領域に至るまでを指す。その役割は,網膜の光受容体で受けた視覚情報を,脳の視覚皮質まで伝達することにある。小児期に視路に発症する原発腫瘍の約70%を占め最も多いのがOPGである1)。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.