原著論文
裂孔原性網膜剥離の男性比率─山梨大学医学部附属病院17年間の手術統計から─
松本 瑞紀
1
,
飯島 裕幸
1
1山梨大学医学部眼科学講座
キーワード:
裂孔原性網膜剥離
,
手術
,
男性比率
,
二項検定
,
95%信頼区間
,
レトロスペクティブ
Keyword:
裂孔原性網膜剥離
,
手術
,
男性比率
,
二項検定
,
95%信頼区間
,
レトロスペクティブ
pp.701-708
発行日 2020年7月5日
Published Date 2020/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001732
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目的
裂孔原性網膜剥離(RRD)の男性比率を山梨大学医学部附属病院でのRRD手術データの解析によって調査する。
対象と方法
山梨大学医学部附属病院眼科で2000年から2016年の間に初回手術を行ったRRD手術における患者数をレトロスペクティブに調査した。
結果
期間全体でRRD手術を受けた男性は1,122件,女性は612件で,男性比率は0.647,その95%信頼区間(95%CI)は0.625-0.670であった。二項検定の結果,2012年の山梨県人口調査による男性比率0.490に比べてRRD手術に占める男性比率は有意に高かった(P<0.0001)。17年間の各年についての検討でも,2009年以前の4年を除く13年でいずれも男性比率は母比率の0.49よりも有意に高かった。10歳刻みの患者年代別に検討すると,11歳から80歳の各年代でRRD手術の男性比率は山梨県人口調査による男性比率と比較して有意に高かった。2018年単年の山梨県内眼科常勤医病院でのRRD手術件数のアンケート調査で,総数181件のRRD症例のうち山梨大学での手術件数は140件(77%)を占めていた。
結論
山梨県内で大多数のRRD手術が行われている山梨大学での手術データの結果から,山梨県でのRRD発症は男性優位と考えられた。
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