特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅳ 網膜硝子体 10 裂孔原性網膜剥離が疑われる吸収不良の硝子体出血の見極め方
松井 良諭
1
1中部眼科(三重県)
キーワード:
裂孔原性網膜剥離
,
硝子体出血
,
硝子体手術
,
超音波検査
Keyword:
裂孔原性網膜剥離
,
硝子体出血
,
硝子体手術
,
超音波検査
pp.1289-1292
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003881
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硝子体出血は急性視力喪失の比較的一般的な原因であり,発生率は人口100,000人あたり約7~48例と報告されている1)2)。発症時の視力障害の自覚がはっきりしており,出血の硝子体腔での拡散により視力は手動弁や光覚弁まで低下することも多い。眼底検査や超音波検査によりその診断は容易であるが,重要なことは原因疾患を特定することである(表1)。原因のなかでも裂孔原性網膜剥離は,診断や治療のタイミングが遅れることで視力障害,歪視,不等像視などの症状が後遺症となる。網膜剥離がない網膜裂孔の発生に伴う硝子体出血であっても,硝子体による網膜牽引が原因で網膜剥離へと進展する可能性が十分にある不安定な状態と考えて対応する必要がある。
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