私の経験
裂孔原性網膜剥離に対して早急な黄斑部の復位を目的に硝子体ガス注入を行った1症例
岩見 千丈
1
,
妹尾 佳平
1
,
山下 あさひ
2
,
小山田 絋
3
1北上済生会病院眼科(北上市)
2岩手県立中部病院眼科(北上市)
3岩手医科大学眼科学講座
キーワード:
裂孔原性網膜剥離
,
黄斑剥離
,
硝子体ガス注入
,
低酸素症
,
温流
,
rhegmatogenous retinal detachment
,
macula-off
,
gas injection into the vitreous cavity
,
hypoxia
,
thermal current
Keyword:
裂孔原性網膜剥離
,
黄斑剥離
,
硝子体ガス注入
,
低酸素症
,
温流
,
rhegmatogenous retinal detachment
,
macula-off
,
gas injection into the vitreous cavity
,
hypoxia
,
thermal current
pp.1401-1408
発行日 2018年10月5日
Published Date 2018/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000904
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裂孔原性網膜剥離で黄斑部が剥離した症例に対して早期に黄斑部を復位させることを目的に硝子体ガス注入を行い,下方視するよう指導した。翌日黄斑部は復位していなかったが,視力は(0.02)から(0.2)に改善した。OCTでは,黄斑部の剥離は,その程度には変化がないものの,黄斑部付近の網膜外層の浮腫は改善傾向を示していた。最近,網膜剥離でみられる網膜外層の変化の主因は低酸素症であることが指摘されるようになってきていることから,これらの改善は,下方視している間はガスに押されて黄斑部の剥離が減少し,また黄斑部付近の網膜下液の温流が滞ったことで黄斑部外層により多くの酸素が供給されたことが原因と思われた。
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