臨床報告
重篤な角膜炎をきたした上眼瞼悪性腫瘍の1例
桃崎 加央里
1
,
中尾 功
1
,
江内田 寛
1
1佐賀大学医学部眼科学講座
キーワード:
角膜炎(keratitis)
,
眼瞼結膜腫瘍(palpebral conjunctival tumor)
,
扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)
Keyword:
角膜炎(keratitis)
,
眼瞼結膜腫瘍(palpebral conjunctival tumor)
,
扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)
pp.193-197
発行日 2019年2月5日
Published Date 2019/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001052
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目的
重篤な角膜炎をきたした上眼瞼結膜悪性腫瘍の1例を経験したので報告する。
症例
45歳,女性。強い左眼痛を主訴に当院を紹介受診された。左眼に強い炎症細胞浸潤を伴う角膜炎と上眼瞼結膜の乳頭様変化を認めた。角膜炎はステロイド点眼による消炎でやや沈静化するものの完治には至らず,ステロイド点眼中止により角膜炎は著明に増悪した。初診から1年半後に上眼瞼結膜に腫瘍性変化を生じたため,診断的治療を目的として左上眼瞼結膜を広範囲に切除し病理検査を行った。病理検査の結果は扁平上皮癌であった。腫瘍切除後,角膜炎の再発は認めなかった。
結論
瞼結膜病変を伴う難治性角膜炎においては悪性腫瘍が原因である可能性も考慮する必要がある。
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