日常医療のOne Point Advice
上眼瞼外転法
吉岡 成人
1
1朝日生命糖尿病研究所
pp.540
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900479
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日常の臨床の中で内科医が上眼瞼を診察することはほとんどありません.しかし,診療所や日常生活の中で(特に家庭で)眼瞼に異物(ゴミや睫)が入っているのでそれを取って欲しいと言われることが時々あります.私たちが子供の頃の"お医者さん"は簡単に上眼瞼の外転(反転)ができたのですが,最近ではこの簡単な"手技"ができないために医師としての面目を保てないことがあります.
そこで,綿棒を使って上眼瞼を簡単に反転する方法を紹介します.まず,患者さん(奥さん?お子さん?)に下方(足元)を見てもらいます(図1).次に上眼瞼の睫毛を下に,眼球表面から離れるようにゆっくりと引っ張ります(図2).そのとき眼瞼の上方5~8mmの部分の皮膚を綿棒で圧迫して,睫毛を引っ張りながら眼瞼を反転させて綿棒の上にのせるようにするのです(図3).これで簡単に上眼瞼の外転(反転)ができます.上眼瞼の診察や異物の除去が終わったら患者さんに上のほうを見てもらうと,眼瞼はすぐもと通りに戻ります.
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