原著
原発開放隅角緑内障と歩行時間の関係
守谷 元宏
1
,
小野 岳志
1
,
粟野-田辺 佐智子
1
,
結城 賢弥
1
,
坪田 一男
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
QOL
,
歩行時間
,
原発開放隅角緑内障
,
walking time
,
primary open angle glaucoma
Keyword:
QOL
,
歩行時間
,
原発開放隅角緑内障
,
walking time
,
primary open angle glaucoma
pp.185-191
発行日 2019年2月5日
Published Date 2019/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001051
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目的
原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma :POAG)による視野障害の重症度と歩行時間との関連,および緑内障患者における歩行時間との関連因子を明らかにすることを目的とした。
対象と方法
2011年5月1日から同年11月30日にかけて眼科外来を受診した緑内障群377名,対照群286名に質問票を用いて1日の平均歩行時間に関する情報を収集し,緑内障性視野障害が歩行時間に与える影響を検討した。緑内障群ならびに対照群に対して,年齢,性別,Body Mass Index,高血圧の既往,糖尿病の既往,転倒恐怖感,緑内障性視野障害の重症度を独立変数,歩行時間を従属変数として重回帰分析を行った。
結果
緑内障群と対照群の平均1日歩行時間は各81.5±4.6分,82.6±5.4分で2群間に有意な差はなかった(P=0.87)。重回帰分析の結果,1日の歩行時間と緑内障の有無や重症度と有意な関係は認められなかった。緑内障患者では女性(β=0.15,P=0.01),転倒恐怖感がない群(β=−0.12,P=0.02)において歩行時間が有意に長かった。
結論
緑内障患者において性別と転倒恐怖感が歩行時間と関連する。
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