特集 サルコイドーシス アップデート
4 ステロイド療法と代替療法
高瀬 博
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科眼科学
キーワード:
サルコイドーシス
,
ぶどう膜炎
,
ステロイド
,
シクロスポリン
,
メトトレキサート
,
アダリムマブ
Keyword:
サルコイドーシス
,
ぶどう膜炎
,
ステロイド
,
シクロスポリン
,
メトトレキサート
,
アダリムマブ
pp.1345-1350
発行日 2018年10月5日
Published Date 2018/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000895
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
サルコイドーシスは全身諸臓器に非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫が形成される原因不明の炎症性疾患である。最も頻度の高い罹患臓器は肺であり,次いで30~60%に両眼性の肉芽腫性ぶどう膜炎を中心とした眼症状を呈する1)~3)。また,サルコイドーシスは本邦のぶどう膜炎の原因疾患として最も頻度が高く,一般眼科医にとっても日常診療における遭遇機会の多い疾患といえる4)5)。サルコイドーシスは一般にステロイド治療に良好に反応する疾患であり,呼吸器科領域などでは自然治癒とされる経過もしばしば存在する。しかし,その多くは慢性再発性の経過を辿るため,眼科領域においては一見寛解状態にあると考えられる症例においても潜在的には軽度の炎症が遷延し,長期的には続発緑内障や嚢胞様黄斑浮腫などによる治療抵抗性,不可逆的な視覚障害に陥る症例も決して少なくない。そのため,サルコイドーシス患者に対しては,炎症がいったん沈静化したと思われる場合でも,長期的な経過観察と適切なステロイド維持治療を行う必要がある。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.