増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
5.強膜・ぶどう膜炎
ぶどう膜炎の治療—そのステロイド治療,ホントに続けて大丈夫ですか?
牛田 宏昭
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
キーワード:
ぶどう膜炎
,
ステロイド
,
硝子体混濁
Keyword:
ぶどう膜炎
,
ステロイド
,
硝子体混濁
pp.145-152
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110145
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はじめに
ぶどう膜炎に対する初期治療としてステロイドは広く用いられ,炎症の制御に有効である。しかし,すべての症例が良好な反応を示すわけではない。ステロイド抵抗性や再発を繰り返す症例に対しては,免疫抑制薬や抗腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)α抗体などの生物学的製剤による治療が検討される。また,ステロイド治療に対する反応が乏しい場合には,感染症や眼内悪性リンパ腫など,ステロイドの使用によってかえって病態の悪化を招いたり,診断を困難にしたりする疾患が背景にある可能性も考慮すべきである。そのため,治療経過を通じて常に鑑別診断を再評価する視点が重要である。

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