特集 サルコイドーシス アップデート
5 硝子体手術の功罪
臼井 嘉彦
1
1東京医科大学臨床医学系眼科学分野
キーワード:
サルコイドーシス
,
硝子体手術
,
黄斑前膜
,
黄斑浮腫
,
網膜剥離
Keyword:
サルコイドーシス
,
硝子体手術
,
黄斑前膜
,
黄斑浮腫
,
網膜剥離
pp.1351-1355
発行日 2018年10月5日
Published Date 2018/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000896
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サルコイドーシスは,ぶどう膜炎のなかで最も頻度が高い疾患であり,主に副腎皮質ステロイド薬を用いた薬物療法が中心となる。しかし,黄斑上膜など,薬物療法が効かない合併症が生じた場合は硝子体手術の適応となる。硝子体手術については,近年,極小切開硝子体手術や広角観察システム,トリアムシノロンアセトニドを代表とする硝子体可視化製剤など,硝子体手術の革新的な進歩により,短時間かつ安全に硝子体手術が施行できる時代となっている。そのため,サルコイドーシスに合併した黄斑上膜であれば,視機能の低下が著しい場合は炎症のない非活動期において硝子体手術の適応で異論がないと思われるが,薬物療法でも軽快する可能性の高い硝子体混濁に対して硝子体手術を施行することは,専門家でも議論の分かれるところであろう。しかし,硝子体手術の施行にあたっては,施行時期や手術手技,術後合併症および視力予後に関する十分な理解が必要である。本稿では,本来であれば薬物療法が中心となるはずのサルコイドーシスについて,硝子体手術の有用性と問題点を中心に私見も含め論述する。
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