症例
切除不能甲状腺原発扁平上皮癌に対して、lenvatinibに放射線外照射を併用し良好な局所制御が得られた1例
和田 優貴
1
,
安倍 明
,
高木 倫子
,
高橋 絵梨子
,
寺田 かおり
,
伊藤 亜樹
,
南條 博
,
橋本 学
1秋田大学医学部附属病院 放射線治療科
キーワード:
甲状腺腫瘍
,
腫瘍-多発性原発
,
リンパ行性転移
,
食道腫瘍
,
X線CT
,
針生検
,
扁平上皮癌
,
病勢悪化
,
放射線化学療法
,
Lenvatinib
Keyword:
Biopsy, Needle
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Esophageal Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Thyroid Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Disease Progression
,
Chemoradiotherapy
,
Lenvatinib
pp.953-958
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016371960
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症例は68歳男性で、2年前から右頸部リンパ節の腫大を自覚し、徐々に増大した。数日前より咳嗽、夜間盗汗、発熱が出現した。超音波検査では、甲状腺右葉に内部不均一な36.6×34.9×30.9mmの腫瘤を認めた。前造影CT(超音波検査1ヵ月後)では、甲状腺右葉を置換するような巨大な腫瘍は47×40mmで、検査機器の違いはあるが1ヵ月で増大し、気管浸潤も伴った。甲状腺左葉にも低吸収域がみられ、これも甲状腺癌病変と考えられた。甲状腺腫瘍と食道腫瘍をそれぞれ生検し、甲状腺原発扁平上皮癌と食道扁平上皮癌の重複癌と診断した。甲状腺原発扁平上皮癌のほうが予後不良と考え、食道癌による通過障害が軽度なことから、甲状腺癌に対して、レンバチニブを開始した。Day80、甲状腺腫瘍がさらに増大し、皮膚に浸潤して出血した。局所制御目的に、甲状腺腫瘍を標的として放射線外照射を施行した。CTにて甲状腺腫瘍や転移リンパ節は著明に縮小し、局所制御が得られた。
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