発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015156547
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76歳女。高血症と2型糖尿病で通院加療中に、頸部超音波検査で甲状腺右葉に腫瘤性病変を指摘された。甲状腺右葉に、単純CT検査で低吸収域として描出され、造影CT検査にて造影効果の乏しい、境界明瞭な腫瘤性病変を認めた。その下方に単純CT検査で等吸収域、造影CT検査で造影効果を認める内部不均質な充実性の腫瘤を認めた。FDG-PET検査では甲状腺右葉に異常集積を認めた。穿刺吸引細胞診では、濾胞がんの可能性が高いと診断した。甲状腺濾胞腺腫と甲状腺濾胞がん疑いとの共存と診断し、甲状腺峡部・右葉切除術や気管傍リンパ節郭清術を施行した。術後病理所見では濾胞腺腫と診断した。手術切除断端では脈管侵襲像と甲状腺周囲の脂肪組織内にリンパ節転移を認め、病理学的には広汎浸潤型濾胞がんと診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015